本来家庭はくつろぎの場であり、一日の心身の疲れを癒す場であるので、子供さんが家で勉強しないのは当たり前といえば当たり前なのですが、家庭は最小の社会集団でもあり、子供さんが社会に出ても困らないように良き社会人となるべく躾や教育をさせてあげるべき場でもあります。
勉強勉強と言わず伸び伸びさせてあげたいと思いがちですが、中学になってから急に勉強を始めた生徒さんの中には、もはやどうしようもないと思われる生徒さんがいらっしゃいます。勉強の習慣がついていないお子さんは、まず力ずくの指導が必要になり、生徒さんは嘘を言ったりさぼったり、とことん逃げ回り、おやめになる方が多いです。
家で机に向かうことのできる生徒さんとは、以下のタイプがあります。
① 幼少期より勉強の環境を整えるという保護者様の努力により、家で机に向かうことが習慣 化している。
② 生来能力が高く、勉強が好きである、または、できるので勉強に抵抗がない。
③ なにか大きな体験をし、心を打たれ、目的を持って勉強している。
④ 親が怖いので、仕方なく机に向かっている。
とくに中学生になると、①はもはや間に合いません。②はどうにもなりません。③は偶然を待たなければならず、あてにできません。 今は④しかないのです。
反抗期のお子さんを今から机に向かわせるのは大変でしょうが、少しでもやるしかないでしょう。 子供さんにものわかりのいいことを言ってはなりません。大人は子供の前に立ちはだかる大きな壁になるべきです。 甘やかされて乗り越えるべき壁を与えられないお子さんは、いつまでも壁の内側です。
保護者様が生徒さんの苦手部分に気がつく遥か以前に、講師が気づいています。
学校の先生もお気づきでしょう。
また、保護者様がひとつ気付いたとしても、それは氷山の一角で、それの100倍ぐらいできない分野があります。
塾では、志望校合格に向けて、点の稼げる分野から優先順位を見極めてから指導をおこなっておりますので、生徒さんの能力によっては切り捨てなければならない分野もあります。勉強は忘却との闘いでもあり、つねに100%完璧な状態はあり得ないのです。
たとえば、お子様が理科の点数が低いとしましょう。塾では英語や数学の指導の時間を割いて理科に力を入れるわけにはいかないのです。特に数学は、止まればすぐに点が落ちます。
そういうときは、塾や学校の学習以外に勉強時間をつくり、理科の問題集を解いてください。学校や塾の先生に喰らいついて質問をしてください。居残りや個別指導のときでもいいです。自分にできることをプラスしてやるのです。
「学問に王道なし。(There is no shortcuts in learning..)」うまい方法などありません。
勉強量を増やすしかないのです。